臨床現場レポート|株式会社H + B ライフサイエンス情報誌 第9号2013年6月発行

オリゴ糖を使用し、緩下剤に頼らず
自然排便が出来た事例


(老人保健施設ニューライフあじす、内山浩子管理栄養士)

●はじめに

高齢者の多くは、活動量の低下、食事・水分量の低下から便秘傾向で緩下剤に頼りがちです。当施設でも80名の入所者のうち約4割の方が緩下剤を服用しています。
当施設では排泄ケア班と言うものがあります。寝たきりの方は腹圧がかからず排泄しにくいため、便秘がちになります。主にオムツ使用者に対してトイレ・Pトイレに座る事で排便を促す事を目的として排泄ケア班を立ち上げ、看護・介護を中心として活動を開始しました。定期的に会議を持ち、排泄ケアについて問題点を検討しています。

排泄ケアを行っている中で、緩下剤の使用により水様便や軟便が頻回にみられ対応に困っていました。便失禁の多い利用者に対して何かいい方法はないのか?と思いながら、特に対応策もなく業務を行っていました。そんな時、オリゴ糖を用いた排便コントロールがある事を研修会で知り、サンプルを取寄せ、排泄ケア班で試してみました。

オリゴ糖の効果として、オリゴ糖は腸内の善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内環境を改善して排便を良好にする事ができるとされています。オリゴ糖にはいろいろな種類がありますが、この取組みは乳糖果糖オリゴ糖を使用しました。乳糖果糖オリゴ糖は各種オリゴ糖の中でも少量で効果が期待でき、多く摂っても下痢しにくいため、便秘・下痢対策に安心して使用できます。試験は以下のように行いました。

オリゴ糖の使用量は、1日30gから開始します。排便の回数や状態により、適宜量の調整を行っていきます。

便性状の指標はこのような表があります。この見本を参考にしながら記録を行います。

今回オリゴ糖を使用して個人差はありますが、ある程度排便コントロールが出来る事がわかりました。3例の事例は、主に下剤の服用で排便がうまくいかない場合のものでしたが、オリゴ糖の服用で水様便や軟便がなくなり、その結果トイレやPトイレでの排泄が楽に行えるようになったり、排泄自立につなげる事もできました。また、排泄に対しての精神的苦痛もやわらげる事ができました。今後もオリゴ糖を使用した排便コントロールを積極的に試していきたいと思います。
 そこで、私たちは記録の徹底を行うために、排泄ケア班以外の職員にもっと関心を持ってもらうと言う目的でメーカーさんに依頼して職員を対象とした勉強会も開催しました。
 排便の苦しみが軽減される事でQOLが向上し、おいしく食事をしていただくためにスタッフと協力し、この取組みを継続して行きたいと思っています。

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