インタビュー:サイクリスト飛田 俊彦 様

1型糖尿病だからといってとくにハンデは感じていません。今年は「ツール・ド・北海道」の総合優勝を狙っています。

主な戦績
2018
つくば 9極の9耐 100kmチャレンジ優勝
ツール・ド・かつらお LOWクラス 第2、第3ステージ優勝、総合優勝
ツール・ド・宮古島 総合7位 年代別優勝
2017 JCRC第3戦群馬 SAクラス優勝
2016 ツール・ド・おきなわ 市民140km 10位
2014 ツール・ド・北海道 市民A第2ステージ優勝

飛田さんは1型糖尿病を持病にお持ちだとお聞きしました。

14歳のときに1型糖尿病を発症しました。当然、当時は「なんで?」と思いましたが、子どものうちになったからか、慣れてしまって普通に生活できています。
1型糖尿病はインスリンが膵臓から出なくなってしまう病気です。私はベテランになってしまって、歯磨きと同じように注射も打っています。運動をやれているおかげでコントロールもうまくできています。「糖尿病なんです」と言うとビックリされますね。
食事も、夜ご飯だけはタンパク質・野菜中心にしていますが、朝ご飯と昼ご飯には普通に糖質を取っています。ケーキもアイスも食べられます。積極的には飲まないのですが、シーズンオフは、飲み会に行ってみんなと同じように食べて飲んでいます。太ったら元も子もないので多少は調整していますし、健康的な生活にしていますが、だからといって美味しいものを我慢することはありません。
スポーツでも、カロリーを消費したら粉飴を取って同じようにバランスを取る。それだけのことです。だから、私は1型糖尿病だからといってとくにハンデは感じていません。むしろ感謝しているくらいです(笑)。
しかし、大変なこともありました。インスリンはドーピング剤に当たるんです。多く打ったら太るし、良い事はないのですがホルモン剤ですからね。私は全日本選手権に2回出ていて、1回目のときはそんなことはなかったのですが、去年の大会に出るにあたってドーピングの規則が厳しくなっていました。それで主治医の先生と相談して、何度もやりとりしなくてはならず大変でした。日本の糖尿病患者でそんな経験をした人はまだ他にいないと思います(笑)。

糖尿病の方は普段から疲れやすいというイメージがあったのですが、糖尿病の方がスポーツをするのはなぜよいのでしょうか。

1型糖尿病はインスリンが膵臓から出なくなってしまう病気です。2型はインスリンが出にくくなります。2型の人たちはお腹に脂肪がついていたり、太っていたりします。たき火で考えると、これは薪がしめっているようなものです。インスリンが着火剤です。私の場合、もちろん注射もありますが、スポーツをしているおかげで着火剤がすごく少なくて済んでいます。つまり、運動によって燃えやすい身体になっているのです。だから、運動をやめて脂肪がついてしまうとまずいですね。相当気をつけないといけません。脂肪がついている人、2型糖尿病になってしまった人、生活習慣病の人はそもそも薪が湿っていて燃えづらいので、いくら着火剤を使っても火がつかないんです。さらに、着火剤を大量に使っていると、膵臓が疲れてしまって出にくくなります。
だから、1型糖尿病で運動していないと大変だと思いますね。ただし、できない場合もあります。特に最初のうちはコントロールがうまくいきません。私は完全に安定飛行に入っていますが、それでも体調によってはミスをすることがあります。注射を打っているのに、ご飯の量が少なかったり、運動しすぎて低血糖になることがあります。低血糖はとても危ないものです。そんな経験を繰り返すうち、バランスを取らないで、運動を完全にしないようにして低血糖を起こさないほうがいいと思う人もいるようです。でも、それでは本末転倒ですよね。薬もどんどん良くなっているから、なおさら何とでもなりますし。
1型糖尿病が特に疲れやすいというイメージは、私に関してはよくわかりません。スポーツをしているおかげ、というのはもちろんあります。やめたら糖尿病が悪化すると思います。ですから、2型の人こそスポーツをやるべきではないでしょうか。自分でインスリンを出す力がまだ残っているわけですから。

粉飴はマルトデキストリンという糖分なのですが、現在、どのようにお使いですか。どんなところが良いでしょうか。

粉飴には大きなポテンシャルがあります。私たちのようなサイクリストは、吸収が良くて手軽にパッと取れるものがいいんです。私が出るレースは長くて140キロくらいですが、固形物を食べずにほぼジェルで補給しています。昔は市販のジェルを使っていましたが、4〜5年前に粉飴の粉タイプを知って自分で作るようになってからは、粉飴だけです。ジェルタイプももちろん使っています。
それに、粉飴は味がものすごくマイルドで、いろいろなものの基本になりますよね。今はアミノバイタルとかいろいろな良いものがあるので、一緒に取れたらいいなと思っていたんです。粉飴の粉タイプを使って自分でつくれば一気に取れます。水分も、粉飴のカロリーも、アミノ酸も取れるわけです。
だから、自分で粉飴と調合していろいろ作っています。そうやって研究する人がいると思いますよ。自転車仲間もみんな研究熱心です。私もいろいろと試しました。ジェルの中にクエン酸を入れたり、コーヒーやハチミツ、ポカリでもやってみました。
また、低血糖になったときに食べるものを粉飴に変えました。血糖値が一気に上がると疲れやすくなります。すぐに上げたほうがいいのかもしれませんが、あまり上げると、その後、反動でまた落ちるのが面倒です。
血糖値を一番速く上げるのはブドウ糖です。緊急時のファーストチョイスとしては、もちろんそれが正しいのですが、私の場合慣れというか、低血糖になる予兆がわかります。これは低血糖になりそうだなという状態であれば、粉飴くらいのスピードのほうがありがたいんですね。粉飴がないときはお粥のようなものを取っていましたが、それと同じ効果があります。

多種ある自転車競技の中で、飛田さんはどの競技をされていますか。

私はロード一本です。「サイクルクラブ3UP」というチームに所属していて、安陪さんとはチームメイトです。地元飯能に「サイクルハウスMIKAMI」という店があり、そこでロード、マウンテンバイク、シクロクロス等を扱っている中でのクラブチームです。ロードでレースをやっているのは私と安陪さんの二人が中心なのですが、マウンテンバイクに主に力を入れていて、そっちの世界では相当上の人がたくさんいます。
もともと、高校のときは剣道をやっていたのですが、ケガをしてスポーツ全般できなくなってしまいました。その後、就職が決まった後に、たまたま時間が出来て始めてみたのが自転車です。どちらかと言えばスポーツがずっと苦手だったのですが、自転車は乗っているだけでも楽しくて、できるという感覚があったのが嬉しくなってここまで続けてきました。
ロードは、簡単に言うとヨーイドンでスタートしていかにゴールに早く着くかという競技です。レースには体系があって、ロードレース、エンデューロ(耐久)レース、ヒルクライムなどがあります。年齢分けはもちろんありますけど、あとは実力で自己申告ですね。
私はロードレースとエンデューロに出ています。ヒルクライムは苦手なのですが、遊びで友人と一緒に出ることはあります。ヒルクライムは安全なので、登るだけならほとんど転びません。友だちや妻と一緒に遊びで出るときはヒルクライムです。

今年はどんなレースに出場ましたか。

最近出たのは、「ツール・ド・かつらお」という3ステージで競うレースです。33キロの短い平地系コース主体のレースでした。そのレースでは第2・3ステージで連勝し、総合優勝して新聞に載りました。スプリントは得意なんです。第3ステージではゴールの400メートル手前でスプリントしました。普通は200〜150メートルくらいで、我々日本人が全速で保つ距離はそれくらいなんです。意表を突いてそれより長めにスプリントしたことが勝利に繋がりました。
1カ月前には「ツール・ド・宮古島」がありました。今回は島を2周する136キロのレースで、先頭集団にギリギリ残れなくて7位でした。年代別では優勝して、一応メダルはもらえました。
「ツール・ド・おきなわ」も、毎年市民レースの140キロで出ています。「ツール・ド・おきなわ」はダントツで大きい大会です。獲得標高がかなりあるので上りの力が必要ですし、上りだけでもだめで、マネジメント含めすべての力が試されます。だから、勝てばもっともステータスが高い大会です。私は、おととしの10位が最高でした。今年は出場するかどうか少し迷っています。
「ツール・ド・北海道」にも出ようと思っていて、総合優勝を狙っています。北海道は年によってコースが変わります。旭川や帯広だったり、ニセコだったり、そういう風に回っていくので何キロとは言えないのですが、価値のあるレースです。沖縄同様に北海道でもプロのレースがあり、市民レースでもそれとほぼ同じコースを走ります。2014年の市民レースではステージ優勝をしました。

自転車競技では栄養補給をどのようにしていますか。

これは自転車競技の勝負の綾だと思うのですが、食事を取るときはピンチでありチャンスであるわけです。食べているときにアタックをかけられたら、咄嗟にはついて行けません。実際に宮古島のレースでそれがあったんです。レース中盤、集団からアタックがかかり、私も含め数人が抜けだしました。結局この動きが優勝争いをする勝ち逃げに繋がるのですが、そのアタックがかかった瞬間というのは、ある優勝候補の方が何かを食べている時でした。私はそれが視界に入っていた事もあり、このアタックに乗ればチャンスだと判断した訳です。後に聞いたところによれば、その方は後半に我々を追いかける羽目になり、かなり消耗したようです。
だから、食事をするタイミングは非常に大事です。私はそういうことがあるだろうと思って、2本のボトルのうち片一方は水で片一方は粉飴を溶かしたスポーツドリンクで、その時間帯はずっとそれだけでやっていました。そういうことがあるので、溶かしておくことはすごく有効なんです。
レースの最後の勝負所ではカフェイン剤を取ります。それまで、レース前にはカフェイン断ちをします。カフェインはドーピングにならない興奮剤ですが、常飲していると効きが悪くなるので、その効果を最大限にするためにカフェインを断っておくんです。カフェイン剤が効き出すには30分くらいかかるので、勝負ところのだいたい30分前に飲んでいます。

練習やレースでは、粉飴をどのようにお使いになっていますか。

粉飴を使う量は距離によって変わります。最近出た「ツール・ド・かつらお」の場合は、粉飴ジェルは取らずに水の中に入れました。33キロなので要らないくらいなのですが、水を飲むときに多少甘みが欲しかったりするので、持っていた粉飴を入れて飲みました。
「ツール・ド・おきなわ」のようなロングレースになると、どうしても必要になります。周りの人が飲み出すのが目についたら、飲んだり食べたりするようにしています。タイミングを時間では管理していないので、そのときのフィーリングですね。140キロでだいたい粉飴ジェルを4本くらいです。水の中にも2本くらい入れているので、合計6本分くらい取っています。600キロカロリーくらいなので、そんなに多くはないですね。
練習のときは休む時間があるので、その時間に普通に羊羹を食べたりしています。ですから、粉飴はレースのときに使う感じですね。私の場合、距離で考えています。60〜80キロくらいのレースだったら取らなくてもいけるという頭があって、さらにそれを越えていくために補給するような感覚です。レースの展開にもよっていろいろ違いますしね。

普段はどのような練習をされていますか。

少ない方だと思いますが、毎朝晩、自宅でローラー台を30分やるだけです。水曜日の朝は飯能近辺の朝練があって、5時集合で、1時間ほど峠3つと平地のスプリントポイントのようなことをやっています。そういった模擬レースのような練習会が毎週あります。休みの日は、埼玉県の強い人が集まってくる練習会に行きます。

自転車競技の魅力は何でしょうか。

レースは特別です。何というか、私は自転車が楽しいということに加えて、勝負の駆け引きが好きなんです。戦っているときのバチバチしている感じがすごく好きです。どうやったら勝てるのかということを考えて、考えて、考え抜きます。けっこう頭脳戦なんです。競っているときに話もするし、相手の虚を突こうとします。私も大ベテランになってきたので、いろいろします(笑)。

目標を持って運動をされることで、糖尿病とのバランスを上手に取っている飛田さんのお話に、多くの方が勇気をもらえたことと思います。ありがとうございました。

インタビュー:サイクリスト安陪 正道 様

主な戦績
2018年 ツールドかつらお 年代別優勝
2017年 JCRC 修善寺B 5位
2011年 秩父宮杯自転車競技大会市民B2位
シクロクロス
2018年 千葉シクロクロスCM1 4位
2017年 前橋シクロクロスCM1 4位
2016年 信州シクロクロスCM1 3位
2015年 茨城シクロクロスCM1 2位

自転車競技にもいろいろありますが、安陪さんはどの種目に参加されていますか。

僕はシクロクロスとロードレースをやっています。今47歳ですが、自転車競技は23歳で始めました。マウンテンバイクで競技に入って以来、ロングもショートも何でもやってきました。
シクロクロスは公園や砂浜のようなところを会場にしてコースを作り、決められた時間の中で何周できるかを競います。ヨーロッパでは盛んなレースです。カテゴリーが1・2・3・4と分かれていて、エイジで40歳以上がCM1・CM2・CM3と分かれています。競技時間が短く、僕のいるCM1というマスタークラスで40分、一番上のクラスのカテゴリー1でも60分です。
ロードレースには短いものも長いものもあります。たとえば、ロードレースにクリテリウムという競技があります。クリテリウムは公園や狭い街中を何周もするレースで、競技時間はだいたい1時間以内です。本場ヨーロッパではロードレースはだいたいロングです。しかし、日本の場合は100キロ以下の短いレースが多いですね。ロングレースはあまりないのですが、有名なのは「ツール・ド・おきなわ」というレースです。プロのコンチネンタルチームが出るレースと市民レースがあります。サイクリングイベントも同時にやっているので、市民レースの甲子園と言われるくらい参加人数が多いものです。あとはニセコも有名ですね。ロードレースにも一応枠組みはあるのですが、エイジの枠はレースによって設定していないものもあります。

僕は、レース数ではシクロクロスに多く出ています。カテゴリーレースは年間のポイント制になっているので、レース数を出ないとそのカテゴリーに残れないのです。トライアスロンのように一発レースで順位云々というより、あちこち転戦していく感じです。関西は関西で毎週のようにレースがあり、関東は関東で毎週のようにレースがあります。僕も、冬の間は月に2回くらいレースに出ています。ロードレースでは月に1回くらいどこかのレースに出ます。今週も福島県の「ツール・ド・かつらお」に出場する予定です。

普段はどのような練習をされていますか。チームには所属されているのでしょうか。

地元飯能のサイクルクラブ3UPというチームに所属しています。もともと、サイクルショップの店長さんがマウンテンバイクのライダーだったので、一緒に走っていたんです。チームではAttack!299というロングライドイベントを運営しています。国道299号線を飯能市から茅野のほうまで170キロ、獲得標高約3800メートルを登っていくイベントです。参加人数も増えて今では200人以上です。
他にも地元に朝練仲間がいます。各チームからいろいろな人が集まって、1時間くらい近辺の山を走っています。週末はチーム練習に出たり、有志で他のチームの人たちとよく走っています。休みの日に友だちと山に行く場合はだいだい100キロ前後乗ります。朝6時くらいに出て10時には終わるので3時間強くらいですね。山なので1500から2000メートルくらいは上がります。

粉飴はいつからお使いですか。

ロードレースの友だちに1型糖尿病の方がいて、2年ほど前、その方が粉飴をボトルに入れているのを見て知りました。そのときは飲みませんでしたが、1年後くらいにAmazonで見て、これかと思って頼んでみたところ、それがすごく良かったんです。
昔は他社のCCDを使っていて、それもたしかに良かったのですが、エネルギーが足りませんでした。ツール・ド・おきなわの200キロや140キロに出ていたとき、力が出なくなって踏めなくなってしまったことがあります。食べなきゃいけないとわかっていても、胃腸が受けつけなくて全然だめになってしまうんです。ハンガーノックになると目の前が暗くなってきます。そこまでならなくとも、なんとなくフラフラしながら漕いでいる人も多いですね。ハンガーノックと気づかない方もいるようです。
粉飴を取るようになってエネルギー切れがなくなりました。粉飴は100グラムで400〜500キロカロリーが取れます。だから腹持ちがすごく良いんです。飲んでいるとあまりお腹が減らないので、ハンガーノックにならなくなりました。

なぜ糖尿病の方にも粉飴が良いのでしょうか。

僕の友だちに1型糖尿病の方が何人かいるのですが、1型糖尿病罹患者にはアスリートも多いようです。1型糖尿病ではインスリンの量を調整しなければなりません。運動すると血糖値が下がり、低インスリンの状態になります。ロードレースのような比較的激しいスポーツではインスリンが下がりすぎてしまうので、そのときに調整として粉飴を取るのです。通常であれば、食後にはインスリンを打たなければなりません。ただ、その後激しい運動をすることが前提であれば、食後でも打たなくていいのです。逆に足りなくなるので、それを補うために粉飴を取ります。
糖尿病の方は疲労が強いスポーツは避けたほうがいいようなイメージがありますが、逆なんです。特に1型の方は、スポーツをしたほうが血糖値の安定があるそうです。粉飴は腎臓に負担がかからないし、固形物よりカロリー計算がしやすいですよね。甘いものを取ると急激に血糖値が上がってしまいますが、粉飴はマルトデキストリンなので急激に上がりません。そうしたことを踏まえて、友人は粉飴を飲んでいたようです。

粉飴をお使いになってみて、どんなところが良いと思われますか。

ロングで乗るときに粉飴は最高です。ロングライドイベントもたくさんありますし、自転車に乗る方は練習でも長く乗ります。僕もこの間、秩父の標高3600くらいの山を170キロほど乗ってきました。皆さんは補給食を食べていましたが、僕は粉飴ボトルだけでほとんど大丈夫でした。やっぱりお腹が空かないというのは良いですね。
僕は痩せ型でもともと食も太くありません。アスリートはガンガン食べられる人のほうが強いのですが、僕はあまり胃腸が強くないので、ロングライドイベントの後半、特に暑い日などは食べられなくなってしまっていたんです。ですから、胃腸に負担がかからないという意味でも粉飴を使っています。使ってみて、胃腸での吸収の良さと優しさを実感しています。胃腸が弱いアスリートにも粉飴は良いのではないでしょうか。
高強度のシクロクロスや、ロードレースでもクリテリウムのように短い距離では2時間前に食べなさいと言われていますが、固形物を食べるとなんとなくお腹に残るような感じがあります。時間があるときはいいのですが、時間がないとき、特に短いレースでは粉飴のほうが良いと思いますね。
粉飴は朝練でも重宝しています。短い時間で強度を上げるような朝練をしているのですが、朝は起き抜けで食べられません。今までは、1時間の練習でも後半になってくると力が出なくなってしまうことがあったのですが、粉飴を取るようになってそれがなくなりました。

具体的に栄養補給はどのようにされていますか。

強度にもよりますが、たとえば山を100キロ走った場合、1500〜2000キロカロリーは減っていると思います。ツール・ド・おきなわの200キロのように激しいレースでは、皆さん5000キロカロリーくらい取っているのではないでしょうか。先ほどお話ししたAttack!299というイベントでは、積算して6000キロカロリーくらいは減っています。
朝の練習では必ず粉飴を使っています。500mlのボトルに粉飴を100グラムくらい入れて水とシェイクするので、400キロカロリーくらいですね。それを水分補給のつもりで飲めば、後半ももちます。1時間ちょっとの練習で平均600〜800くらい減りますが、1時間ガンガン走っても平気です。ですので、1時間の競技でも同様に効果があると思います。半分しか飲めなかったとしても、200キロカロリーは取れているわけですから。今までは後半に踏めなくなってしまうことがあったのですが、それはおそらく前日の夕食が足りなかったり、グリコーゲン不足だったのだということが、粉飴を飲むようになってよくわかりました。
ロングライドイベントでは粉飴にクエン酸を入れるのも良いですね。クエン酸を入れると酸っぱくなりますが、疲労回復には良いようで後半もリフレッシュできました。

自転車競技の良さはどの辺にあるのでしょうか。

シクロクロスやロードレース、マウンテンバイク、トラック競技といった競技のほかにも、ロングライドイベントやヒルクライムレース、ブルベなどもあり、自転車の世界は非常に奥深いものです。また、競技とは関係なく、走ることを楽しんでいるサイクリストも数多くいます。
自転車競技では、40代でも良いパフォーマンスを出すことができます。脚力だけではないのです。そこが面白いですね。20代であろうが40代であろうが、戦略面での蓄積がものをいいますし、道具によっても左右されます。僕はシクロクロスバイク2台、ロードバイク2台、マウンテンバイク1台で計5台持っています。天気や路面などコンディションによってホイールを変えるので、フレームは1つでもタイヤ、ホイールが多く必要です。ギアも変えます。僕は家を作る時点で自転車部屋を作りました(笑)。

自転車競技の奥深さをお聞かせいただきありがとうございました。安陪さんの今後のご活躍をお祈りいたします。